精神科看護師に向いている人・向いていない人【現役精神科看護師が解説】

僕の話

精神科看護師に興味はあるけど、「自分に向いているのか分からない」と悩んでいませんか?

精神科は「楽そう」「きつそう」などさまざまな意見がありますが、実際のところは“向いているかどうか”で感じ方が大きく変わる仕事です。

私自身、精神科で働く中で「向いている人」と「向いていない人」には、はっきりとした違いがあると感じています。

この記事では、現役の精神科看護師の視点から向いている人・向いていない人の特徴を、実体験ベースで分かりやすく解説します。自分に合っているかどうかを判断する参考にしてみてください。

精神科看護師に向いている人の特徴

感情的にならずに冷静に対応できる人

精神科に入院してくる患者はどの様な疾患であっても共通して精神状態が不安定である事が多いです。

不穏の強い患者や希死念慮が強くて鬱々としている人など多くの患者がいます。

なのでそういった患者と接する中で感情的にならずに冷静に対応できる方が向いていると思います。

  • とてつもない罵声を浴びせてきたり、興奮が強くて暴れていたりしていても自身と患者の安全を確保する為の行動が取れる
  • 鬱々とした内容を延々と語ってきても相手に呑まれる事なく対応できる
  • 何もされても患者に対して陰性感情を抱かない

こういった冷静な対応が求められます。

罵声を浴びせてくる患者に対してこちらが怒ってしまったりしても患者がよりヒートアップしてしまうだけですし、不穏が強くて隔離されている人の部屋に不用意に入ってしまうのも自身も患者も危険なだけです。

ずっと「死にたい」「消えたい」と語ってくる患者に感情移入し過ぎて自分も気分が落ち込んできてしまうのも良くないです。

そういった内容から普段からあまり感情的にならない人や状況を冷静に捉える事ができる人は精神科の適性が高いです。

フィジカルに自信がある人

精神科は暴れる患者が多くて危険な場所だとよく言われますよね。

それは大体合っていて、うつ病の患者もいるのであまり動かない人もいますが、統合失調症や薬物依存症でとんでもなく暴れる患者もいます。

なので何やかんや言ってもフィジカルの強さは大事です。

こちらの体格を見て大人しくなる患者もいれば、そんなの関係なく襲いかかってくる患者もいます。基本的にそういう危険性が高い患者は男性看護師が対応する事がほとんどですが、女性が対応せざるを得ない時もあるので、逃げ足の速さ等も踏まえて女性もフィジカルに自信がある人のほうが向いています。

暴れる患者は複数人の看護師で押さえつけて注射したりするので、結構フィジカルの強さが重宝される場面は多いです。

コミュニケーションが苦じゃない人

一般科でもそうですが精神科は特にコミュニケーションが重視されます。

うつ状態の患者への声掛け一つで希死念慮が変動して自傷行為に走ったり、統合失調症の患者が暴れたりします。

その為慎重にコミュニケーションを取ることが重要です。

うつ状態がひどい患者が「話を聞いてほしい」と訴えるケースも多く、長ければ30分以上話を聞いている時もあります。聞いている間の態度も患者はよく見ており「この人は話を聞いてくれてない」と判断するとまた自傷行為に走ります。

コミュニケーションは精神科の基本でもありますので、コミュニケーション力に長けている人や傾聴力がある人が適性あります。

人に優しくできる人

凄いシンプルですけどこれが正直一番大事かもしれません。

統合失調症で不穏だろうが、うつ病で希死念慮が強かろうが優しく接する必要があります。

何を言ったりしても不穏になる患者はいますが、体感7割ぐらいの患者は優しく接する事で落ち着きます。

仮に不穏になったり、希死念慮が強まった時でも普段から優しく接していればこちらの言う事を聞いてくれたりもします。

まぁ聞いてくれない人も多いですけど、優しくしておいた方が無駄なトラブルを防げてこちらも業務がスムーズに進むので無難ですね。

患者に甘くする必要は一切無いですが、優しくする必要はあります。

精神科看護師に向いていない人の特徴

感情的になる人

もうこれはダメですね。正直本当に向いていないと思います。

不穏になっている患者に感情的になればより不穏になるだけですし、希死念慮が強い人は自傷行為しまくります。

患者がヒートアップし過ぎてしまえば暴力行為に発展するケースも珍しくないので、自身の身を守ることも難しくなってしまいます。

また他人の希死念慮や気分の落ち込みなんかに引っ張られて気分が落ち込んでしまう人もダメですね。精神科には腐るほどうつ病の患者がいるので、いちいち引っ張られてしまう人だと仕事中ずっと気分が落ち込んでしまうことになります。

普段からちょっとした事で感情的になってしまう人は精神科看護師には向いていないでしょう。

テキパキ動くのが好きな人

精神科では一般病棟の様に予定が詰まっていて効率良く動かなきゃいけないシーンはあまりありません。

もちろん検査や入院などで一時的に忙しくなる事はありますが、基本的にはゆったりしています。

ナースステーションに来た患者の話を聞いたり、悩んでいる患者と一対一でゆっくり話をする機会なんかも多いです。

なので「患者と関わるよりもテキパキ忙しく動いている方が好き」という方は精神科病棟の勤務は退屈に感じてしまうと思います。

忙しそうに動いていると患者も気を遣ってしまうので、患者と深く関われないから良くないと自分も教わりましたので…

すぐに成果を求める人

精神科は一般科より治療の成果が出るのに時間がかかります。

一般科では手術をして、2週間程度で退院していきますが、精神科は数ヶ月かけて刺激の少ない環境でじっくり薬物療法を行なっていきます。

結果的に治療の成果は出る事がほとんどですが、1ヶ月以内ではあまり変化がないことが多いです。

なので丁寧に関わっていたとしても患者が良くなるのに時間がかかるのですぐに成果を求める人にはあまり向いていません。

精神科看護はどうしても時間がかかるという事を念頭に置いておかないと「これだけ必死に関わったのに…」とがっかりしてしまいます。

身体管理などのスキルを伸ばしたい人

看護師って病棟とかだと様々な症例がいて色んな身体管理を学んでいくじゃないですか。術後のドレーン管理であったり、術後急性期の管理なんかいっぱいあるじゃないですか。

精神科でも肺炎の患者なんかがいて管理しなきゃいけないことはありますが、一般科ほどではないので色々な症例を見て身体管理のスキルを上げたい人には向いていないですね。

精神科患者も高齢化が進んできているので経管栄養や褥瘡処置なんかしたりしますが、Aラインやドレーン、挿管、人工呼吸器なんかとは全くの無縁なので、そういった分野のスキルは全く身に付きません。過去にはそういったこともやってましたけど、精神科で働いていると忘れていってしまいますね・・・

自分も肺炎の患者とかを受け持ったりしますけど、ちゃんと管理できてる自信なくて先生に聞いたり先輩に聞いてばっかりなんで・・・

精神科は向き・不向きで大きく変わる 

精神科って楽な印象を持っている人が多いと思うんですけど、そこは結構人によって感じ方が変わってきます。

忙しく一日を終わらせたい人にとってみれば精神科は退屈で仕方ないでしょうし、患者とコミュニケーションを取るのが得意じゃなければ一日中患者と絡まなきゃいけなくて苦痛で仕方ないと思いますし、不穏な患者と関わるのは恐怖にしか感じないと思います。

逆に患者とじっくり関わりたい人やのんびり過ごしたい人は向いているでしょうし、天職に感じると思います。

特殊な領域なので精神科で働く上では他の科よりも向き不向きが非常に重要になります。

実際に向いていなくても働ける?

最初は向いていないと感じていても働けるとは思います。

働いていて患者とたくさん関わって「あれ?意外と患者と関わるの嫌いじゃないかも」となるパターンもあります。実際に私も手術室での勤務が長くて、患者とじっくり関わる経験がなかったので正直向いていないんじゃないかと思ってたのですが、働いてみて患者と関わるのも意外と悪くないなと感じています。

ですがやはり働いた上で合わないと感じる人も実際にいます。不穏な患者の対応に疲れて退職されてしまう方もいますので、やはり自身が精神科に向いているかどうかは一度見学など行って確かめる必要があるかとは思います。一般科で働くのとは全然違うので、転職には少し慎重になったほうがいいかと思います。

また精神科病棟でも急性期病棟なのか慢性期病棟なのかで患者が大きく変わってくるので、病棟による差も大きいです。例えば「物凄い不穏で暴れる患者と関わるのは怖い」といった方でも慢性期病棟ではゆっくり患者と関われて満足度が高くなるケースも多いので、一概に向いてないからと考えるのではなく精神科でも領域が細かく分かれているので良く調べてみることをオススメします。

まとめ

精神科看護師は、向いている人と向いていない人で感じ方が大きく変わる仕事です。

「自分に合っているかどうか」を知ることは、働き続けるうえでとても重要だと感じています。

精神科の仕事内容や「きつい」と言われる理由については、別の記事で詳しく解説しています。あわせて読むことで、より具体的にイメージできると思うので、ぜひ参考にしてみてください。

精神科看護師はきつい?実際に働いて感じた本音を解説
精神科看護師はきつい?実際に働いて感じた仕事の大変さを解説。一般病棟との違いや、体力的な負担、精神的なしんどさなどを現役看護師の視点で紹介します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました